カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

BTI ブリティッシュ・アメリカン・タバコの一人負けをブレクジットだけのせいにしてはいけない

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(以下BAT)の株価下落をブレクジットのせいにしてはならないみたいなことを言いましたが、ブレクジットの影響もあると思います(笑)。タバコ株全体の下落も影響しているでしょう。が、BATの一人負けの大きな要因はもっと別の場所にあるのではないかとカナリーは考えています。それは、マクロ要因でもなく、ビジネス環境の問題でもありません。恐らくですが、単純に発行済み株式数が増えたからではないかと考えています。

 

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BATは昨年にレイノルズを現金とBAT株の交換で買収をしています。その結果、1864百万だったBATの発行済み株式数は2,293百万と1.2倍に増えているわけです。株式数が20%増加するというのはその分だけ株式の価値が希釈化されているわけですから、株価が大きく下がるのは当然と言えるでしょう。ただ確かに去年の7月の出来事ですから、そこから株価が下がるのは別の要因だとの反論もあるでしょう。しかし、株式価値を希釈化してまで行った買収の効果が低ければ、株価が更に下がるのは必然ではないでしょうか。希釈化しているわけですから、企業は以前より利益率や資本効率性を向上させないと株主は納得できないと思います。まあ、レイノルズの買収がどう評価されているのかよく知りませんし、株価も気まぐれな部分があるので、明確な理由を見出すのは難しいですが…。ただ株式数が大きく増えているのは確かですから、株式数が増えていないフィリップモリスやアルトリアと比較して株価が下がるのは必然でしょう。ですので、長引く株価下落の大きな要因はレイノルズの買収と言えるのではないでしょうか。

 

またブレクジットがBAT株下落の最も大きな理由ならFTSE100や他のイギリス企業が世界のマーケットの中でも目立って下落していいように思えますし、ポンドがもっと反応すると思うのですが如何でしょうか。まあ株価や為替というものは良く分からんものなので考えるのはここまでにしましょうか。

 

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BATの買収と希釈化に関連して、ちょっと異なった話をしますが、よく買収案件がニュースになると、買収する側の株主の方は、買収予定の企業のビジネスについて語ったり、買収後の将来の可能性について考えてみたりしていますが、買収手法について考える人は少ないように感じます。しかし、皆さんもっとこの買収手法についてもっと敏感になるべきだとカナリーは感じます。というのも現金ではなく株式交換で企業買収をする場合、交換のために新規発行された株式分だけ株式価値が落ちるわけですから、この部分をもう少し気にするべきだと思います。特に日本企業の場合、将来の企業買収のために現金を貯めると有価証券報告書決算短信で公言しておきながら、実際には株式交換で企業を買収するという詐欺的手法を使う企業も多々ありますから(有り余る現金を持っているのに!)、みなさんもう少し気にしていきましょう。

 

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※追記

この記事はアメリカでのメンソールタバコ規制の件が表面化する前に書きました。現在はこのメンソールタバコ規制による影響のほうが株価下落に寄与していると考えられます。