カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

PFF 長期配当再投資戦略には絶対向いていない!

PFF保有者の方は大変多いですから、怒る方もいらっしゃるかもしれませんが、PFF保有している方には、この記事を参考にして、PFFについて再考して頂ければ嬉しい限りです。

 

パフォーマンスが物語っている

 

まず初めに、以前の記事での考察から、PFFはやっぱり長期配当再投資戦略には向いていないとカナリーは思います。これはPFF配当再投資後の長期的パフォーマンスが物語っています。

 

 

10000ドルからPFFS&P500ETFに投資した場合の配当再投資後のパフォーマンス(2007/3/30から)

 

  PFF S&P500 (SPY)
トータルリターン 59.17% 143.54%
年平均リターン 4.21% 8.21%
10000ドルを配当再投資した場合の現在の額 15920.59 24345.77

※Dividend channelより

 

重要なのは、この表が示すのは配当再投資後であることです。PFFにとって屈辱的なのは、配当を再投資しても普通に普通株に投資した人に大きく負けています。

 

「私は高配当が欲しいからS&P500との比較は関係ない!」、「価格上昇ではなく高配当が欲しいんじゃ!」と考えているPFF投資家の方々、だからといってPFFへの投資が良いとは限りません。なぜならPFFは高配当普通株にも配当再投資後のパフォーマンスで大きく負けているからです。

 

 

10000ドルからPFFHDVに投資した場合の配当再投資後のパフォーマンス(2011/3/31から)

 

  PFF HDV
トータルリターン 47.81% 116.57%
年平均リターン 5.52% 11.21%
10000ドルを配当再投資した場合の現在の額 14779.94 21653.23

※Dividend channelより

 

再度言いますが、この表は配当再投資後のパフォーマンスです。この表は、配当うんぬんではなく、優先株普通株に長期的に劣るということを示していると思います。

 

このような結果や前回記事での考察を踏まえてカナリーは、優先株はパフォーマンス的にも、性質的にも、長期配当再投資戦略を貫く方には向いていないと思います。性質的な理由は過去の記事にありますので、気になる方は是非読んで頂きたいと思います。

 

債券とは本質的に異なる

スポンサーリンク

 

ちょっと脱線してグダグダ書きますが、優先株(PFF)を債券と同じようなものだと考えている方、結構いらっしゃると思いますが、ある重大な違いを見逃しています(因みにカナリーは前の記事で優先株が償還される点は債券と似ていると書きましたが、それはあくまで例えです)。優先株は債券と大きく異なる点があります。それは、債券は必ず決まった時に、決まった金利が支払われますが、優先配当は、赤字になった時や条項によっては取締役会の任意で減配することができます。それは配当利回りがあらかじめ決まっていてもです。もちろん累積条項(企業が減配した分を投資家に後払いしなければならない条項)があれば、減配された分が後で戻ってくるでしょう。しかしPFFに構成された優先株には累積条項が無いものが多いです。ですから減配分を後から貰うことは出来ませんし、企業は必要があれば思い切って減配することが出来ます。多くの企業が減配すれば当然優先株、つまりPFFの価格も下がるでしょう。この点はむしろ普通株に似ています。確かにPFFリーマンショック時に大きく減配していませんから、気にしないという方もいるとは思いますが、この本質的な違いは絶対に頭に入れておくべきです。

 

--------------------

アクティブ系な方は

 

一方で、長期配当再投資戦略投資家ではない方々は、優先株投資を考慮に入れても良いとカナリーは思います。というのも、優先株は不況時に買うと短中期的に威力を発揮するからです。(グレアムも”賢明なる投資家”の中のどこかで優先株の買い時は不況時だと言っていたと思います。) 優先株普通株のパフォーマンスを上回るのは、例えばリーマンショックのような時でしょう。

 

2008/6/2から2010/5/28の二年間のパフォーマンス

  S&P500 (SPY) PFF
トータルリターン -17.90% -1.69%
1年平均リターン -9.46% -0.85%

※dividend channel より

 

リーマンショック時は、チャートだけみると価格が下がっていますが、配当再投資後の年率リターンやトータルリターンに注目するとマイナスですがPFFがS&P500に大きく勝っています。カナリーの考えでは、不況時に優先株に乗り換え、嵐が過ぎ去った後に普通株に舞い戻ってくれば、良いリターンを出せるのではと思います。ただ上手くことが運べるかは分かりません…。

 

--------------------

最後にカナリーは、長期配当再投資戦略の方、パッシブ運用の方はPFFではなく普通株の高配当銘柄や普通株高配当ETFに投資すべきと強く思っています。もし、優先株ETFにどうしても投資したいなら、個別の優先株について調べてみたり、専門書を読むなどして、優先株の特徴を掴むべきです。PFFについての記事はインターネット上に多いですが、そのような記事が優先株の特徴をしっかり述べているとは正直思えません。例えば優先株にとって累積条項の有無は重要ですし、転換権や早期償還条項が付いているもの、利回りが途中で変わるものなど優先株の種類は多種多様で、無配によって議決権が付与されるなど様々な特徴を有しています。しかし、これらを網羅する記事をカナリーは読んだことがありません。残念ながら日本において優先株を発行してているのは伊藤園のみですから、事例が少なく、優先株に関する知識が足りない(これはカナリー自身も)のは仕方がないことです。ですから、例えETFであっても優先株に投資したいならきちんと勉強すべきです(インターネットではなく、信頼できる本で)。もし優先株についての勉強や調査が面倒であれば、絶対に普通に普通株へ投資すべき!とカナリーは勝手に思っています。今後も機会があれば優先株にも触れていきたいです。