カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

PG Caution! P&G(ジレット)の投資家へ

 

少々古い約一年前の(しかし現時点で最新の)10-Kなので、今の状況に当てはまるかは分かりませんが、P&Gの2017年10-Kにジレットアプライアンス部門の無形資産について興味深い記述がありました。

   (訳)

当社のほとんどの無形資産はcarrying value(簿価)に対して最低でも2倍以上のfair value cushion(公正価値クッション?) を有している。しかしながら、シェービング(ジレット)、アプライアンス部門は資産のほとんどを買収によって獲得した為、fair value cushionが高くない。現時点ではfair value cushionが簿価を上回っているが、競争激化や、髭剃り習慣の変化等でfair value cushionが低下している。その為、ビジネス環境の変化やビジネス計画の変更による減損リスクに晒されやすくなっている。一方で経営陣は減損リスクを引き起こすイベントへの対処戦略を講じている。

Proctor & Gamble 2017 10-K P.28から引用

※fair value cushionに対するいい日本語が思いつきませんでした…簿価を上回る分の公正価値を意味し、減損リスクに対してクッション材のような働きをするイメージです。

※因みにほぼ同一の記述が2016年の10-Kにもあります。2015年は無し。

 

アメリカ会計において減損処理は簿価が公正価値を上回った際、簿価-公正価値=減損額 として処理されます。

この部分からは具体的な減損額等について述べられていない為、P&Gへの影響がどれほどなのかは分かりません。また記述されていたのは、会計方針の項目内で、将来予測というよりは、注意書きのような書き方のようにも見えるので、正直どこまで深刻なのかも分かりませんし、大した問題ではないかもしれません。

 

一方で、P&Gのカミソリの売り上げは最近不調なので、P&Gの投資家は、この記述を頭の片隅に入れておいた方がいいかもしれないです。